人の誠意、釘の誠意

パチスパイ, ホール

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初めて打った4円の金ガロ。
10000円で132回だった。
アタッカーは削られ、スルーも閉められていた。ロングSTだから厳しいな。交通事故の出玉に頼ったMAX釘というやつだ。まあ、普通の店だ。

席を立って振り返った瞬間、目の前のカウンタースタッフがマイク越しに、「こんにちはー」と、満面の笑みで頭を下げた。

立腹した。
いつもなら、ハイハイ立派な接客だねー、と無視するのに、その時は思わず睨み返してしまったのだ。

大人げない。
アホか私は。

彼女はマニュアルで決められた通りの挨拶をしているだけであり、ガロのボッタクリ釘は知らない。回らないことに苛立ってる私の心も知らない。ただ、目の前の客が立ち上がったから、最高のスマイルをプレゼントしてくれたんだ。悪気なんて1ミリもなく、若々しい、素晴らしい仕事をした。

彼女は立派だ。
私は嫌な客だ。

彼女に誠意はあった。
しかし、私は二度とこの店へ来ないだろう。あの笑顔へ、何千円、何万円と払えるわけじゃないから。

スタッフの誠意を釘が殺した瞬間だったように思う。

 

—more—
反省の意味を込めて、化物語も打ってみた。2000円で31回だった。

カウンターを見たら、早遅の交代時間なのか、二人の女の子がいた。精算機へ向かう私へ「ごゆっくりどーぞー」とハミングしてくれた。

一般的なミステリーショッパーだと、こういうホールは高得点なんだよな。無の境地で、精算機から吐き出される8000円を受け取る私。出口へ向かう私の背中へ再び、「ごゆっくりどーぞー」という声が突き刺さった。

もう、来ねえよ。

パチスパイ, ホール

Posted by ボンペイ吉田