ボン感・パチンコ業界の一番長い夏・8月(2)

ボン感

この記事の続きです。

 

PCSA、声明文を発表・2015年8月10日

全日遊連の文書から1週間後、今度はPCSA(パチンコ・チェーンストア協会)が声明文を発表しました。

 

全日遊連の議論に対し、「あまりにも楽観的すぎる」と批判し、遊技人口の減少をいかに食い止めるかが最優先の課題としています。

 

PCSAは、遊技人口の減少を招来させている最大の要因が、遊技における高い射幸性にあると考えています。

(中略)

高射幸性の遊技機そのものを市場から排除し、時間消費型娯楽というパチンコ本来の姿に合った遊技機の開発を徹底することであり、一部のヘビーユーザーに依拠した営業のあり方を抜本的に変革していくことです。

ソース→【PCSA声明文(PDF)

 

素晴らしい。極めて正しい認識です。常々、MAXだけじゃなく羽根モノのような機械も増やせ、それを甘く使えと書き続けているので、この声明文は頼もしく感じました。

 

ただね。

 

こんなのを見つけちゃったのよ。

 

 

 

PCSA、声明文を発表・2009年1月19日

いわゆるマックススペックタイプと呼ばれる高射幸性の遊技機の占める割合が飛躍的かつ継続的に高くなっております。

(中略)

高射幸性の遊技機を中心とした営業の展開は、一時的な意味での利益の確保に貢献するところはあるとしても、中長期的な観点からは、娯楽としてのパチンコを強く望んでいる国民大衆の大多数の支持を得られず、急激な客離れ現象を生じさせることは必至であります。

(中略)

つきましては、パチンコホール企業におかれては、マックススペックタイプ遊技機の設置台数を極力抑えていただきたくお願い申し上げるものであります。

ソース→【PCSA声明文(PDF)

 

平成21年1月に出された、同じくPCSAの声明文です。

 

この6年半の間、PCSAの加盟ホールは、MAXを大幅に減らしたんですかね。

 

6年も猶予があり、今回も似たような声明文を出してる以上、PCSA加盟ホールでは、さぞかしMAX比率が少ないんだろうなと。

参考→【会員リスト

 

・・・PCSAには新台レポートの読者さんも多いし、スルーした方がいいのは分かってる。でも、業界団体というオフィシャルな話になれば、触れぬわけにはいきません。聡明な人が多いので、理解してくれると信じて先を書きます。

 

 

PCSAはジャイアニズムではないはずだ

今回の声明文は全日遊連を批判しており、6年前のは「遊技業界」に対して発せられている。内部文書じゃない。全国のホールに対して、6年前から、MAXを減らせと主張している。

 

私達PCSA加盟ホールはMAX機をほとんど使っていません! というなら説得力もあるけれど、P-WORLDで調べたら、多くの店で新しいルパンを買ってる。牙狼も設置してる。大量導入と言っていいレベルの店すらある。

 

お前らは使うな、俺達は使う」という形になっているんです。

 

確かにPCSAのメンバーを見ると、ダイナムを初めとして、どうにか低射幸性でやってやろうという気概を感じるホールは多い。イベント全盛時もそれに乗らなかったホールもある。それゆえ、「他社へとやかく言う前に、まず自分達の襟を正そう」という反省の気持ちが、声明文から感じ取れなかったのは残念です。

 

これをネットで公開してしまったら、むしろ「突っ込み待ち」と言われてしまう話です。ひょっとしてPCSAは、自分達への批判を決して許さぬジャイアンのような組織なのかとさえ感じてしまう。

 

数十年の長きに渡って国民大衆に娯楽と憩いの場を与え、地域経済の活性化と就業機会の拡大をもたらしてきたパチンコ。国民から支持され、日本の社会になくてはならない存在とするためにも、全ての業界団体は、己を正義の高みへ置いたり、自分達への批判を許さずなかったり。他者のみを批判する組織になってはならない。そう思うのです。

 

ボン感

Posted by ボンペイ吉田