燃え上がれヤンバダム!

政治・社会

利根川が今のところ氾濫せずに済んでるのは、試験運転中だった八ッ場ダムを強引に稼働させて水を溜めてるからと聞いた。

そうか、完成していたのか・・・・・・。

10月1日に試験を開始。2~3ヶ月かけて満水にする予定だったけど、今回の台風を受けてぶっつけ本番で実戦投入。満水となるまで溜めきったところで台風は通過し、下流域は決壊せずに保ったと。

なんかもう涙出てくるな・・・・・・。

写真を一枚置いときますね・・・・・・。

 

「コンクリートから人へ!」

 

八ッ場ダムの工事中止は民主党のマニフェストだった。国交大臣となった前原誠司はマニフェストを盾に中止を強行しました。

ネットでは「自民党が復活させた!自民党によって利根川流域の人命は守られた!」的なツイートを見かけますけど、八ッ場ダム工事を再開させたのは民主党の大臣です。

 

中止決定後、まず動いたのは官僚でした。国交省関東地方整備局は治水面の必要性を強調し、政治家へのレクチャーに動きます。しかし反対派の市民団体は民主党中枢と通じているためどうにもならない。

事態が動いたのは東日本大震災以降。「コンクリートから人へ!」というスローガンは「人さえ殺す」と認識されてからです。

 

2011年9月、野田政権の国交大臣に指名されたのは前田武志氏。京都大学工学部土木工学卒という、政治家にしては珍しい理工系の人で、しかも建設省河川局の建設専門官や国土庁の専門官を歴任しており、日本における「土木行政のエリート」です。

東日本大震災の惨状、さらにタイで発生した大洪水を見て、前田大臣は八ッ場ダムの工事再開を決定しました

 

元官僚、かつ元自民党議員ですから、行政も政治も知っていた。結果8年後の水害を防げたわけで、当時73歳であった前田氏を国交大臣に任命したのは野田総理の大ファインプレーだったと言えるでしょう

 

前田氏は八ツ場ダム以外にも、高速道路や整備新幹線、老朽化した道路や橋の整備など、凍結していた案件を続々と解除。悪化しきっていた地方自治体の土木部署との関係修復も図りました。

しかし、岐阜県下呂市長選へ関与したとし、野党だけでなく民主党中枢からも批判が発生。かわしきれず、わずか9ヶ月で辞任へ追い込まれました。

辞任前、前田大臣はこう語っています。

「民主党が掲げていたのは無駄な公共事業削減。大きな借金を抱えている中で、税金の使い方に優先順位をつけようというのが公約。しかし、削るに削って予算全体も減らしている。日本の国の持続性を考えると肝心要のところは、キャッチフレーズで惑わされてはいけないということ

 

八ッ場ダム工事再開については

「工事再開は苦渋の決断でした。しかし、利根川流域は大変脆弱なんです。利根川はかつて東京湾に注いでいた。タイの大洪水を見て、首都圏がそうなったら、この時代に国民生活の持続なんかできません」

 

あの時代、公共事業を潰すことは正義そのものでした。国民も事業仕分けに興奮した。そんな熱狂の中でも冷静さを失わない政治家がいた。民主党にも国士はいたのですね。

 

前田大臣と、ダムのために水没した村の人々へ深く感謝したいと思います。

ちなみに前田大臣の市長選への関与については、嫌疑不十分で不起訴処分となっています。

 

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Posted by epachinko7@gmail.com