奥深さってなんだろうね
奥深い。
なんだろうな、奥深さって。
書きながら考えるに、一般的な価値とは異なる要素を見出し、その差を理解すること、じゃないかなと思う。
例えば日本酒でメロンの甘みや香りを感じたり、逆に香りは抑えてるのに舌の奥で広がる旨味を感じたり。
ウイスキーのテイスティングでこんなコピペを見つけた。
レビュー:響21年 -生真面目な、日本人-
グラスを鼻に近づけると、ナスとトウモロコシ。有機溶剤。雨をはじいたオーク材。
群生した夏草に感じる香りの奥行きと清涼感。土。
口に含めば、一瞬で溶ける飴。渋みを感じさせず、しかしバランスの取れた重量感。余韻は長く続く。
柔らかいアプローチの中にすべてを徐々に明かしていく。
前へ前へとグイグイとこないが、静かに「いつでもここにおいで。待っているよ」という貫禄。
鉄、赤土、水、草。
日本的な静かな主張とバランスの中に、フローラルを感じるウィスキー。
(´ ゚д゚)スゲー
じゃあ、我家にあるトリスウイスキーに、ナスとトウモロコシ、シンナーやオーク材、夏草と土に、飴と鉄をぶち込めば、響21年になるのかって話だよな。
ならない。
そう、ならない。
奥深さというのは仕掛けではなく、受け取った側の表現なんだよね。パチンコの演出というのは、ナスや土、材木や鉄をぶち込んで、「飽きの来ない深みのある演出」とか言っちゃってるんだよ。恐ろしいことに、作り手側だけがそれを主張しちゃってるんだよ。
テイスターにしか分からない高級酒もいいんだけど、パチンコって多分、そういう娯楽じゃないんだよね。メーカーさんは是非、トリスや角瓶も出してほしい。ホールさんは是非「高級酒専門店」から脱してほしい。
ディスカッション
コメント一覧
奥深さを感じるかどうかはかなり単純で、
「自分にとって未想定だった○的なものを感じるかどうか」
にしか過ぎないと思います。
ボンペイさんのおっしゃる通り、受け取った側の表現であるため、
人によって奥深いと感じるかどうかは異なるのですが、
今の遊技機演出開発でしのぎを削っている(≒増えて来ている)のは
「当るかも!」「可能性があるかも!」と騙そうとする部分だけですので、
「奥深さ」とは一切関係ありません。
「奥深い演出」と真顔で言う開発者がいるのであれば、もうビックリです。
別の所で書かれていた「ヒロインの髪のキューティクルの輝き」などは
実は「奥深さ」の一つですが、確かに稼働には大きな影響を与えません。
モンスターハウスで初めて確変図柄ばかりの再抽選ゾーンを設けただとか、
777だけじゃなく333も当りにします、いやいや3つ揃いなら皆当りにします
などのように、単純にドキドキ感が増える工夫が出ればよいのですが、
ここ何年もそういう部分の進化が止まっていると思います。
>「奥深い演出」と真顔で言う開発者がいるのであれば、もうビックリです
や、いるそうですよ、実際に。「演出の奥行きを感じさせるために~」的な。笑っちゃいますよね。奥深さを出そうとする行為そのものが、浅い考えなのに。
兼さんのおっしゃる「騙そうとする演出」や、「賑やかし」「やり込み要素」みたいなおぞましい部分も、根本的には似てる。細かすぎて伝わらないこだわりという部分で同じなのかもしれません。
奥深さとは客の評価であり、作り手の自己満足ではない。青臭い言い方になっちゃうけど、「最終消費者に喜んでもらうこと」を追求せねば、奥深さは生まれないよねと。