ボン感アーカイブス・なぜ休眠層を復活させられないのか

ボン感

 

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なぜ休眠層を復活させられないのか

(2011年1月の記事を修正した上で再掲載します)

 

 

小遣いを何日に分けて使うか

当たり前の話ですが、普通の人の場合、パチンコへ投じられる金額は毎月ほぼ一定です。ここに、1ヶ月で2万円使えるお客様がいるとしましょう。(これでも世間では多い方なんですよ)

新台に1時間で2万円使い、次の来店は翌月のAさん

毎日通って旧台に1ヶ月で2万円使い、次の来店は明日のBさん

後者の多い店ほど強いと考えます。

多くのホールさんも後者を求めていると信じたいのですが、なぜか買うのははAさん向きの機械ばかり。調整もAさん向きばかり。イベントも、接客でさえそう。

これぞまさに「求める客」を設定できていないと感じる所以です。当記事においては、一つだけ、ただ一つだけ主張したいことがあります。機械を大切に使えとか、もっと出せとか、そういうことじゃない。短期決戦型の新台を買って抜いてるのが事実なら、Bさんはいなくなるよねという点。

 

 

来てほしい客層に適した機械を設置しているか

店長さん達の思いは色々でしょうけれど、来てほしい、定着してほしい客に適した機械を買っているのか。その機械に適した運用をしているのか。その機械を打ちたい人へどのように情報を届けているのか。届け方は正しいのか、効果的なのか。欲しい客と必要な機械のパッケージがとても重要になってきます。

新装開店、新台入替は、今でも「出玉」をイメージさせます。出玉のイメージは新装の幻想そのものであり、これが生きているからこそ、新装は今でも最も集客力のあるイベントとして活用されるわけです。

 

 

出玉のイメージだけでは口コミに乗らない

今後厳しく問われるのは、口コミで広がってほしいイメージは出玉だけなのか、という点です。ご存知の通り、出玉感と実際の出玉は異なります。極めて主観的なんです。

ゆえに稼働のあるホールに出玉感で対抗するのは難しい。出玉関係以外を評価してほしい場合、よほど強い特徴を示さねば、とてもじゃないけど口コミには乗りません。

喉から手が出るほど欲しい、出玉とは関係のない特徴とは、一般の商品で言えば価格以外の訴求力です。パチンコが厳しいのは、出玉=低価格ではなく、出玉感=低価格と思われてしまうところ。本当に薄利多売でも、稼働がなければ安く見えません

 

 

稼働より利益www

ホールさんからは「稼働と利益なら、利益が大切」と聞きます。そりゃそうです、事業ですから。では、最低限の利益を確保できた上ならどうなんでしょうか。おそらく、そこから先は稼働を求めるのではないでしょうか。なのに「稼働より利益」と金科玉条のように唱え続けるのはなぜなのでしょうか。

さきほどのAさんとBさん。お店にとって利益額は同じ。だけど、本当に当たり前の話ですけど、Aさんタイプ300人と、Bさんタイプ300人なら、どっちのお店が繁盛しているように見えますかね。

答えはもちろんBさんタイプのホール。だって毎日300人いるんですから。一方のAさんタイプのホールは毎日10人しかいません。これから新規客を開拓しようと思った時、楽なのはどっちのホールなのか。いざ新規客の来店となったとき、常連化する可能性の高いのは、Aホールか、Bホールか。答えは自明でしょう。

 

 

暇な店へ浮気するバカはいない

あまり語られることはありませんけど、Aホールは致命的な欠陥をもっています。冷静に考えてみましょう。Aさんは、負けた後29日の空白日がありますね。その間、毎日満席なBホールの噂を聞いたら、おそらく翌月は浮気しますよ。

一方のBさんは毎日Bホールへ通っていますから、わざわざ暇なホールへ浮気する理由がない。

つまり、短期決戦型のホールは、近所に長期決戦型のホールが誕生したとき、異様なまでの弱みをさらけ出してしまうんです。

 

 

浮気性な人だけを残してしまったパチンコ業界

お客様の可処分所得が一定である以上、短期決戦・短期回収のホールほど、浮気されやすいのではないか。

確かに現在は、短期決戦型の機械しか出てない以上、今のまま突き進むしかありません。うがった見方をすれば、メーカーが率先して、浮気なお客様を生み出したとも言えるでしょう。

ちなみに、かつて沢山あったBホールへ通っていた人達は今、どこにいると思いますか? 時短解禁、連チャン50%以上解禁、3個戻し解禁といった大きな流れを経て、自分達の居場所を失ったBさん達はどこにいるのか。

そう。パチンコ以外の娯楽に、浮気することなく没頭しています。彼らは、現在没頭していることから裏切られない限り、Aホールへは行かないでしょう。ゆえに、休眠層を復活させるのは難しいのです。

 

 

振り返って

こういう「ざっくりした分析」って大好きです。普通の分析は統計や計測値を用いるんですけど、私の頭では処理しきれない。そういうのはダイコクやエンビズ、矢野に任せます。

メーカーさん、特に開発者の場合、数字の入っていない分析は「ただの個人感想文」として受け付けません。自分の担当した機械への批判だったらなおさらです。

数字を大切にし、理論を大切にし、低稼働の機械を量産する。経営陣は、そういう開発者に給料を支払い続けた。数字を大切にしていたのではなく、感性の劣化を隠していただけなんですね。

 

ボン感

Posted by ボンペイ吉田