相手のレベルに期待する商売は廃れる……のか?

新台レポート, 業界ネタ

こっちのことを理解してくれているという前提の商売

この記事を書いてて思ったんだけど、パチにせよゴルフにせよ、ユーザーに一定のレベルを期待する商売というのは、ブームの終焉と同時に新規を掘り起こせなくなるから。

あ、この場合のブームとは、数年の波ではなく、10年以上の大きな波ね。

「分かる人にだけ分かればいい」というのは、高級寿司店のような単価の高い商売に向いてるわけじゃん。相手の高い理解レベルに期待した商品作りだ。パチンコもその通り、遊技単価を上げていったよね。結果として、「分かる人だけ」残った。

高級寿司のようにしておいて、「初心者さん歓迎!」と言ったって、敷居が高すぎて入れないよな。演出のインフレと渋釘によって高められた参入の敷居、再参入の敷居は、自助努力じゃどうにもならないところまで高まってしまった。

 

翻って自分のこと

私も、「うちの会員さんは、このテイストを分かってくれるはずだ」という意識を、心のどこかで持っていたように思う。 そうじゃないだろ。初めて見た1枚、サンプルで見た1枚、それだけでレポートの魅力を感じてもらわなきゃいけない。

間違っても、「長く見れば分かるんだよ」みたいな意識を持ってはいけない。初めて読む人への配慮や読みやすいレイアウト、分かりやすい文章に心血を注いでいるのかと。

 

ぶっちゃけ、調子に乗ってたんじゃねえの? 的な

いや、調子には乗ってない。乗ってないつもり。乗ってないつもりなんだけど、最大138件あった会員数が現在は108件。1年半で22%もの減少は、リピート勝負の商材である以上、合格点は出せないだろう。市場規模の縮小は言い訳にならない。

だって、外部に原因を求めたって売上は下がるんだから、無意味です。幸いなのは、今年に入って再び上昇へ転じ始めた点かな。一時は100件を切っていましたし。

心のどこかに奢りがあったのではないか。自分の商品を理解してくれる人へ届けばいいという、傲慢さがあったのではないか。仮にそうでなかったとしても、常に己を顧みる謙虚な姿勢を忘れていたから、顧客は離れたのではないか。

 

私はレポートを作る仕事を辛いと思ったことがない

そう断言してきました。実際、最初のアラジンデスティニーから最新の甦り花満開まで、嫌だと思ったことは無い。一度たりとも無い。むしろ楽しい。

や、もちろん、クッソ寒いから上野へ行きたくないとか、一気に4機種も書かねばならず寝不足だとか、そういうのはあるよ。でも基本的に、仕事最高。超楽しいです。

・・・と思ってきたのだけれど。ひょっとしたら、この時点でもう甘いのかもな。余裕ありすぎでしょ。苦しんで苦しんで、胃を痛めて血反吐を吐いて。それくらい自分を追い込んでこそ、素晴らしい商品は完成するのではないか。

己を追い込まず、顧客のレベルに期待する。これを甘えと言わずして何というのか。