パチンコ感謝の旅35 追悼とパチンコへの祈りをこの地で

ホール,

3.11です。東日本大震災からまだ6年しか経っていない。原発事故直後の南相馬、半年後の多賀城に石巻。一年後に再び南相馬を訪問し、二年後は岩手県大槌町を訪ねました。

日本中の人が震災を考える日、私は、昨年震度7の地震に見舞われた熊本を訪問しました。

 

なぜ熊本か。

ここは、独立したばかりの私を応援してくれた、SGさんの勤めたホールがある土地だから。

 

コア21新八代店

 

ブログ読者であったSGさんから、ミステリーショッパー・パチスパイの依頼をいただいたのは2009年だったかな。

当時100店舗近く調査していましたけど、新八代ほど「郊外大型店かつ繁盛店の密集する地域」は初めてでした。

コア21・シルバーバック・大劇・モナコパレスと、非常に強いエリアでした。そして各店とも特徴を持っていた。

 

調査後の面談でSG店長から、「うちの店でダメと思った点は何?」と聞かれました。これ、典型的な地雷質問。正直に答えると嫌な顔をされるし、エッヂを効かせると「もっと稼働に直接関係するところを聞きたいんだよ」みたいな表情をされる。

 

そこで、硬軟2つを答えました。

 

「スタッフさん、赤ランプに対応すべくシマ内へ入るとき、深くお辞儀をし、手を上げて、歩いてお客様の元へ向かいます」

(`・ω・´)「そうね。そうさせてる」

「いいから早く来いって思います」

(´・ω・`)「・・・」

 

当時は演技的なオーバーアクション接客大流行でした。これに対して当時のボンペイ吉田さんは真っ向から反発。

なぜならパチンコの主役はお客さんだから。お客さんをポジティブな気持ちにさせるのは機械の役割。スタッフじゃない。

ではスタッフの役割は何かというと、ポジティブになれなかったお客さんの、ネガティブな気持ちを減らす役割なんです

 

あまりにも青臭く、あまりにも現場を知らない発言だなとは思うけれども、今でも根本は変わっていません。

赤ランプで呼び出すときの客はどう思うか。早く来てほしいからランプを押すわけで、優先順位を考えたら、お辞儀でもなく手を上げるでもなく、早く察して箱を届けることですよね。

もしも早く届けられるならオーバーアクションも構わないけれど、オーバーアクションするために対応を遅くするのは本末転倒ですよと。

 

SG店長は、現場経験のない、セミナー経験もまだない私の話を真剣に聞いてくださりました。そこで次に変化球を投げた。

 

「でも一番ダメなのは、トイレットペーパーが薄いところ」

(´・ω・`)「え?」

「薄すぎて、巻いてるうちに切れるんですよ。だから拭くときもヒヤヒヤする。ビリッと破れて指先があああああああ、みたいな」

(`・ω・´)「すぐ替えます」

「え?」

(`・ω・´)「ありがとう。あなたと会えて良かった」

 

そんなことがあったんですよ。熊本市内の居酒屋で、青臭い話を真剣に聞いてくださったことに感動しました。もっと頑張ろうと思えた。

だけどその後しばらくして音沙汰はなくなりました。ブログのコメントもなくなり、メールにも返信をいただけなくなった。残念と思っていたら数ヶ月後、SG店長の訃報が届いたのです。

 

今回、何が何でも熊本まで行こうと思った。自分の車を自分の手で運転し、コア21で打つ。そして汚い話ですけど、トイレットペーパーを使う。

はい。うんこ貯めて行きました。

SG店長ごめんなさい。

 

店舗に着き、シマを見る前にトイレへ向かいました。

そして驚いた。

 

トイレットペーパーは、くまもんをプリントした頑丈なダブルタイプになっていました。

そしてスタッフさんはオーバーアクションではなく、素早くランプに対応し、箱を届けていました。それでいながらすれ違うお客さんへはきちんと挨拶する。

 

ああ。

SG店長の意志は、受け継がれたんだ。

ホールのど真ん中で号泣・・・することはなかったけど、来てよかった。本当に。

 

7年前の当時はパチンコ版サンダーVを打ったんですけど、さすがに設置していなかったので、なんとなく気持ちを伝えられそうな台をチョイス。

 

ドリームハナハナ。

パチンコ業界の夢を載せて、供養のハナを。

 

まあ、咲かなかったんですけどw 気持ちは届いたかしら。

 

 

東日本大震災、熊本地震で亡くなられた方。そして、SG店長のご冥福を祈ります。

 

ホール,

Posted by ボンペイ吉田