平和の社会実験

パチンコ, メーカー

人はどこまで、複雑な演出を理解できるのか。どこまでやると、理解できなくなるのか。

ハンドルルパンこと、ルパンI’m Super Hero。この機械による影響、各メーカー開発者へもたらした精神的影響は大きいと思うんです。

MAX禁止以降、各社とも演出を減らしていますよね。ミドルになったこともあるし、販売台数減少に伴う開発費抑制もあるでしょう。

しかし、平和の社会実験により「過剰すぎる演出はメガ版権でさえ殺す」という共通認識が育っていたことも、無視できない。

消されたルパンとハンドルパンは、ほぼ同時並行で作られていたはずです。少なくとも、消されたがリリースされた後に取り掛かったわけじゃない。

高稼働を叩き始めた消されたルパンを見ながら、ハンドルパンの開発は進んだ。その時、担当者たちの焦りはいかばかりか。開発費は明らかにハンドルルパンの方が上なわけですから。

そもそもマルチ液晶なんて百害あって一理なし。開発費を高騰させ、演出を混乱させ、稼働を殺す、最強のツールですよ。あれだけの制御を実現するには、どれだけの調整を繰り返せばいいのか。開発チームは本当に頑張ったと思う。

結果、ルパンとしては稼働しなかったものの、他機種よりはずっと動いた。メチャクチャ売れて、平和の財務を潤した。

貴重なデータも取れたわけで、社会実験を意図していたなら、メーカーとしては大成功ではないでしょうか。

演出削減、予算削減、フロー見直し、マルチ液晶否定等々、インフレへ突き進み続けたパチンコ業界を止めた。ホールやファンは死屍累々かもしれないけれど、今後パチンコが息を吹き返すのだとしたら、ハンドルパンの反面教師的な功績は大きいと言えます。

パチンコ, メーカー

Posted by ボンペイ吉田