才能の無さに打ちひしがれた人へ薦めたいマンガ

オタク

何度か書いていますけど、私は自分の非才を痛感する(させられる)作品を見るたびにダメージを受けます。吐き気を催したり、眠れなくなったり。でもそういうのは大好きだったりするんで、マゾなのかな。

この作品は強烈。圧倒的な文才を見せる女子高生に対し、周囲の大人達は屈服し、人生の変革を迫られてしまう。小説にせよ同人誌にせよスポーツにせよ、自身の非才と他人の才能、その落差に絶望したことのある人は必読。

 

・・・氷菓ってアニメがありまして。OP曲の2番に、「君が見てる空は何色だろう きっと青く高く清らかなはず」というフレーズがあるのよ。ああ、確かにヒロインの千反田さんの目には、青く高く清らかな空が見えてるんだろうなと思う。絶対、自分とは同じようには見えていない。

 

 

響でも似たような点を強く指摘している。「このような作品を書く人間に、この世界はどのように見えているのか」。すなわちその特異性こそが感受性なのだと。

天才肌の芸術家は常識外れの人が多いといわれる。それはつまり、同じ世界なのに常識とは違う見え方をしているから、常識外れの行動をしてしまい、逆に常識に縛られない芸術性を持ちうるということなのだろう。

そして悲しいことに、常識通りに世界を捉えてしまう人間は、その世界へ辿り着けない。だって、空を異なる色に見えるようにするなんて、努力したって無理だもの。

 

この作品の主人公も、常識から大きく逸脱した行動を取る。周囲にいる常識人の秀才達は、彼女をどのような目で見るのか、感じるのか。なかなかどうして吐き気の止まらない作品だ。

オタク

Posted by ボンペイ吉田