ボン感アーカイブス・月曜日 出社と同時にこれを見てる開発さんへ

ボン感

 

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月曜日 出社と同時にこれを見てる開発さんへ

(2013年11月の記事を修正した上で再掲載します)

 

努めて冷静に書きますので、ぜひ、冷静に読んでほしいなと。

えっとですね。
機械、売れてませんよね。
なんで売れないのかってーと、ホールに余力ないから。
なんで余力に乏しくなったかってーと、ファンは減ってしまったから。
なんでファンは減ったのかってーと、負けすぎてカネを失ったから。
なんで負けすぎるのかってーと、ここで意見はバラつきますけど、概ね二つ。

メーカーサイドから言えば「ホールのせいだ! 抜きすぎなんだよ!」。ホールサイドから言えば「はあ? 機械代高すぎるから仕方ないんじゃヴォケ!」。堂々めぐりとなり、意見は決してまとまりません。

でも。
ホールとメーカー、どっちの責任かなんて、ファンからすれば鼻クソよりどうでもいいことで。大切なのは自分のお財布ですわ。

 

 

今も昔も負けていた

客の立場で見た時に問題なのは、昔と違って、1万円の消費速度に恐怖する点。負け金額そのものは昔も今もそれほど変わらない。なぜなら、元となる年収は変わらないから。変わってしまったのは減る速度。

1万円で13時間遊べれば、文句も出ませんよ。20分で消えちゃうから怒るの。ホルコン上は同じ台粗1万円だけど、カネを吸い込む速度に耐えられない。圧倒的な吸引力。まさにダイソン。

仮に大当りしたとしても、玉の消費速度に耐えられない。少なくとも現金投資時の急激な吸い込み恐怖は残ってますから、すぐに止める。あれだけ豪華な液晶演出をもう一度引いて当てるまで、どれだけ吸い込むか分からない。だからギャンブル性の高い高玉単価の機械ほど、すぐに止めてしまう

昔と同じファン数だったとしても、早くお金を吸い込んじゃうから早く帰る。結果としてホール内に止まる人は減り、結果として賑わいは失われ、結果として出さない店に見え、結果としてホールへ寄りつかなくなり、結果として機械は売れなくなる。

 

スパイラルの起点は何かを考えてください。

昔と同じ時間楽しもうとすると、昔よりカネがかかる

これこそ、ファン離れの原因です。

 

・・・なぁんて、こんなこたー、皆さんも知ってるはず。

 

「じゃあ、ベースを上げろっていうのかよ。聞き飽きたよ。SANKYOの7個戻しや、サミーの10個戻し、三洋やニューギンのGO楽スペックが売れたかよ」

と言いたいでしょ。言いたいよね。

で、私、思うんですよ。一部機種だけベースを上げてもどうにもならない。だって実際、売れないもん。3個戻しのあるうちは、ゼッタイ売れない。
「やっぱり悪いのはホールだ! 俺達はちゃんと出したぞ!」と、アリバイを主張したって、ファンからすればどうでもいいことで。どっちが悪いかなんて鼻くそほどの以下略。

じゃあ、警察に規制してもらう? いやいや、それはダメ。余計な部分まで思いきり規制されちゃうから、自分たちでどうにかするしかない。鹿児島県警の係長さんも言ってましたけど、自主規制は我々の拠り所なんです。

 

 

浮沈の鍵は日工組

同じ金額で遊技時間を増やすには、3個戻しを全面禁止するしかない。内規改正で機械を縛るしかない。つまり、業界の浮沈は日工組にかかってるんです。

しかし「彼ら」は決断しようとしません。「じゃあ、5個戻しにすれば遊技人口は増えるの?」と逆に問うてくるでしょう。そんな質問に答えられるのは神様しかいないのを分かっていてなお、「彼ら」は苦虫をかみつぶしたような表情で言う。確証のないまま規制には踏み切れないって。

 

 

潰れて初めてケツに火が付く

これは同意してもらえると思うんですけど、いくつかのメーカーが倒産、または身売りする事態にならないと、「彼ら」は、ファンを増やす方法を導き出せないでしょ。いくつかの案は出せても、日工組としての意見は集約できないんじゃないかな。どうも、そんな気するんだよ。

となってくるとホール側のポイントは、メーカーの倒産を待つしかない。残ったメーカーが歩み寄ってくるまで、耐えること。生き抜くこと。「お願いですどうしたら買ってくれますか」と土下座してくるタイミングに備え、反撃の力を蓄えること。

メーカーさん、その時、あなたのプライドは耐えられますか?

 

 

皆で生き抜くことを本気で考える時期は来る

いつも県遊協の講演で語っているのは、まさにそこ。「なるべくみんなで生き抜こう」という考え方だったりします。もちろん玉単価や客滞率のことも話しますよ。玉単価の上昇とファン離れは、笑っちゃうくらい正比例ですしね。そんなことは開発者なら、とっくにご存知のはずだ。

MAXはあっていい。でも、MAXばかりになってはいけない。高玉単価&低客滞率の焼き畑農業マシン(ギャンブル性は高いのに、出ても粘らない機械)ばかりでは、ファンは死ぬ。

たまたまMAXで一機種くらい人気出たとしても、それを打った人は翌年、そのホールに残っているのか。他ホールへ行くだけならまだマシで、パチンコから離れてしまったら、もうどうにもならないよ。

 

極論と思いますかね。

 

でも、実際にファンは死んだよね。

 

 

開発者はホールより遅れていると認められる?

ホールの人達って「MAXだけじゃ客の財布は持たない」と直感で気付いてるんですよ。でも、業績のために買うしかない。

一方でメーカーは気付いてない。気付く人もいるけれど、ファンからの距離により、ワンテンポ遅れちゃう。実際みなさん、売れるからとMAXを作り続けました。

今後しばらくはライトミドル一色になるのかな。それでも玉単価を上げようとしてるんじゃない? 外部の私だって、それくらいは分かる。つまり開発者は、ホールが気付いてることでも、気付けない。気付いていたとしても行動に移せない。

厳しい言い方だけれど、サラリーマンである以上、どうにもならない。ホールが高玉単価な機械を買うのと同じ理由で、開発者は高玉単価な機種を作り続けるだろう。仕方ない。仕方ないけど、自覚だけはしてほしい。ホールと開発者は、同じ地平に立っているのだと

 

 

申し訳ないが、あなたしかいない

でもってさ。今の玉単価って、異常よ? 2回ループの初代大工の源さんより、ずっとギャンブル性は高くなってる。そりゃ、等価無制限だから仕方ないって面もあるけれど、本当に仕方ないと思ってます?

「ホールが2.5円ラッキーナンバーにすればいいじゃないか!」と責任を回避してみたところで、そんなことは現実的じゃないと知ってるでしょう。

ファンの財布の中身に対応すべく、玉単価を下げられるのは、メーカーしかない。玉単価を下げ、客滞率を上げ、同じ1万円でも長く楽しめる環境を作れるのは、開発者しかいないんです。

 

つまり、業界の浮沈、業界で働く何万人、何十万人の生活を握ってるのは、開発者である、あなたなんです。そんな責任は負えないと言ったところで、現実問題として、そうなの。

 

ホールさんと直接語ることもありますよね。そのとき、真顔で、目をみつめられて、「業界を潰す気か?」「俺と従業員、その家族を路頭に迷わせる気か?」と、問われたらどうしましょう。
その答えを用意してほしい。

 

 

3個戻しを手放せ

メーカーの、やんごとなき立場の人達が、このブログを見てるとは思えない。「彼ら」はきっと動かない。だからこれから先、何年かして日工組へ出入りするようになったとき、隣にいる人へ語ってほしいんです。あなたは、10万人の命を背負えますかと。

あらためて言います。全メーカー揃って、全機種揃って、3個戻しの果実を手放してください。ホールの等価無制限は今後も続くんです。動かせるのはベースしかない。2004年の大ヤマトから始まった3個戻しでファンは減ったんです。

9年もやったんだからもう諦めてくださいよ。お願いしますよ。液晶を工夫したってファンは減るんです。玉の減る速度でファンは減っていくんです。時短を手放せと言われてからじゃ遅いんです。

 

未来のために、今、ベースを上げるべきだ。

 

 

振り返って

これ、すごいね。まさに今の状況を予言してるみたいですわ。当時は某開発者から「そこまでは背負えない」と言われました。そらそうよね、分かってる。分かってるんだけど、実際にその通りになったよ。

 

 

ボン感

Posted by ボンペイ吉田