ボン感・パチンコ業界が二度と復活できないとする、ただ一つの仮定

ボン感

 

自分ではやりたくないこと、コストに見合わないことをアウトソーシングする。

 

それは経営面では合理的なのだろうけど、成長は止まるよなと思う。実際パチンコメーカーは自分達だけで機械を作れなくなったし、パチンコホールは現在、イベント会社へ集客をアウトソーシングしている。

 

そもそも新台に集客を頼ってきた歴史が、機械メーカーへの集客アウトソーシングではないかという意見もある。

 

今のパチンコ業界は、ファンの要望を把握できているのに作れない、対応できない状況となった。

 

対策はほぼ不可能。なぜならアウトソーシングしたものは、元々やりたくない、コストに見合わないものだから。これを内製化する際の心理的負担やコストアップに対し、経営陣の許可は下りないし、技術が断絶してしまっているため、ファンの要求レベルに内部だけでは対応できない。

 

企画や評価はできても生み出せない。その間、ファンはどんどん先へ行くため、ますます対応できなくなる。悲劇的なことに、企画や評価だけはできてしまうため、自分達が置いていかれたことに気づけないんだ。

 

パチンコ業界は二度と復活できないと仮定したとき、理由は警察でも政治でもなく、「ファンを楽しませるものは自分達の手で生み出すという基本を外部へ出し切ってしまったから」なのだろうと思う。

 

そう考えると、中の様子は知りようもないけれど、内製化にこだわったSANKYOや、あらゆる可能性を捨てないニューギンや豊丸産業などは希望を持てるのかな。

 

逆に、液晶と版権へオールインしてしまった会社は行き詰まりそうだ。

 

なぜなら、アウトソーシングしたものが高度化し、外へ出した当時より遙かに大きなコストとなって跳ね返ってきたから。自分達で作れないならばカネを払うしかないよね。後は財務諸表に記された「現預金」の減少をどこまで許容できるかの戦いだ。

 

 

かといって、歯車を逆回転させようとしても戻せない。企画やプロデュース、全体の統括こそが開発者の能力となってしまったため、社内の技術は枯れ、あるいは更新されず陳腐化し、映像製作会社や版権会社といった外部へ資金を垂れ流すばかり。

 

同様に、自分達で集客できなくなったホールも厳しくなるだろうね。

 

仮に店長さんなり部長さんが、高稼働店舗を作ってきたと主張したところで、ホール名を画像検索したら「県内一斉ペカリ調査!」とか、「人気ライター●●来店!」と出てきてしまう。その人は集客をアウトソーシングしただけだとバレてしまう。

 

ファンを楽しませるものを自分達だけで作ってみる。稚拙でもいいから作ってみる。かつて先達の通った道をゼロから考えてみることこそ、パチンコ業界復活の鍵になるのではないかしら。

 

ボン感

Posted by ボンペイ吉田